- 依頼に
ついて - 別荘建築に
ついて - 建築時に
ついて - 施工・工事に
ついて - 別荘の仕様に
ついて
依頼について
土地を探しているのですがその段階から相談していいのでしょうか?
ほとんどの方が土地探しの段階から相談に来ています。ただし設計事務所は不動産会社ではないので、土地の紹介はできません。(可能なエ リアもあります)「いいなと思った土地が斜面だった」「本当にこの土地でいいのだろうか?」「この土地でどのくらいのボリュームの家ができるのだろう か?」「不動産屋の話だけでは不安……」と相談にこられる方が多いです。遠慮なくお気軽に連絡ください。
トータルでどのくらいの費用がかかりますか?
計画する別荘の規模や構造、建築場所などにもよりますので一概にいくらでできるとは言えません。一般の専用住宅の建築費と比べますと、 概算費用の算出にも誤差がでやすいです。別荘地ならではの独特の視点や情報や知識が必要になりますので、できるだけ早く建築家と連携して資金計画をベース にした計画を進めていくことが大事だと思います。
どの段階で設計契約を結ぶのですか?
基本的には最初です。しかし、ローンの設定など流動的な事があったり、まだ躊躇する人には仮契約を結びます。料金は内容にも寄りますが 10万円くらいです。(場合によっては5万円でも可能。現地調査などない場合)そこからプランを作成して提案いたします。プランの内容や私との相性を確認 していただき、本契約に移行していきます。私の場合、プランは数パターン提出します。納得するまでプランを提案し続ける事を信条としています。初期プラン の良い悪いより、建築家と建築主はこれから永いおつきあいになりますので、信頼関係を築けるかが重要と思います。
設計料はどの位になりますか?
正式には設計料ではなく、設計監理料です。総工事費の13%+構造設計料+交通費を目安にしています。比率的には2/3が設計料で1/3が監理料です。構造や工法によっても違いますので、改めて計算します。総工事費は最初に仮定する値段で設定します。最終的に増額した値段に対しての工事費の差額は、 設計料率を掛けて算出し竣工時に精算します。
(例)工事費3000万の別荘の場合:設計監理料390万、構造設計料45万、交通費は30~40往復分です。
・総工事費1800万以下の場合一律230万円(税別)となります。
・構造設計料は構造設計事務所に外注します.構造規模によって金額が違います。目安として工事費の1.5%です。
設計料の支払いはどのようになりますか?
通常は総額を3分割し、1/3を契約時(設計前)、1/3を着工時(設計後)、残りの1/3を竣工時にお支払いいただきます。また、契 約前にプランを見たいというお客さんに対しては、プラン作成料(5万円から)を決め合意のうえで作成します。その後、設計監理契約を結ぶ場合、総額からプ ラン作成料を差し引きます。
設計だけしていただけますか?
上記の質問にも関連しますが、設計だけという業務はしていません。設計は机の上での図面であり現場での打合せを踏まえて完成度が上がっていきます。また、品質や性能を保証するという意味で設計だけということはしていません。
別荘建築について
別荘建築の特色は一言で言うとなんでしょうか?
専用の住宅と違い別荘建築に求められるのは、非日常の心地よい刺激であったり、空間を求めての利用であることではないでしょうか? 「自然環境の中での生活を満喫したい」「仕事を一切忘れた週末の時間を過ごしたい」「友人を交えて楽しく過ごしたい」と人によって違いますが、「非日常 性」がキーワードだと思います。
一般の住宅とコストが違う事は何ですか?
一般の住宅の建築費と最も違うのは敷地が崖地・斜面であることが多いため、基礎工事にかかる費用に幅がでることです。基礎工事の仕様に よって工事費が大きく左右します。その他、地盤調査の結果も重要です。工事のしやすさや道路の環境によっても違います。その他に温泉の引き込みの有無、浄 化槽の仕様なども一般住宅と違う所ではないでしょうか。
建築家を紹介するサイトの活用は?
建築家との接点のない人にとってきっかけになるのであれば良い事と思いますが、最終的には安くはない紹介料を支払う事になります。コン サルタントといいつつあまりコンサルタントの役割を果たしません。なぜかと言いますと、建築家の方が専門家だからです。それよりは家の品質や性能、素材に お金をかけた方が良いのではないでしょうか?特にコンペのサイトは疑問があります。多くの建築家から出されたプランをプロの審査員不在で判断するのは大変 な作業だと思います。見栄えのいい案を採用する事が多く、結果的に予算オーバーやコミュニケーションミスによるトラブルの話が絶えません。
別荘はメンテナンスをしないと、傷むと聞いたのですが?
そのとおりです。場所や環境によってさらに念入りなメンテナンスが必要な場合があります。例えば、海沿いのエリアでは潮風による塩害で スチールの部分に錆が発生してきます。山間部でも湿気など空気がとまると一気に家はダメになりやすいので、地元の人の協力を仰いで、窓を開けていただいた りしましょう。
建築時について
建築予定の土地の地盤が心配なのですが……。
まずボーリング調査をするところから始まります。ボーリングの方法は簡易な方法から本格的な方法までいろいろあります。敷地の状況や計 画する建物の構造や規模などによって総合的に判断をし、決定していきます。過去にはボーリングの調査結果から建物を軽くする必要性が出て構造を変更した事 もあります。
将来、別荘で老後の生活を過ごしたいのですが、永住できる仕様にできますか?
まったく、問題なくできます。多くの依頼者はそのような願望が強い方ばかりです。将来のバリアフリー仕様を設計段階で検討しておくと将来とても有効であると思います。
小さな土地でも建てられますか?
狭小地や変形した敷地こそ建築家の腕の見せ所です。既成概念にとらわれずプランニングし提案します。土地によっては、ご要望を叶えるのが困難な場合もありますが、可能性を探るのを信条としています。
建設費の坪単価について教えてください
坪50万、坪60万で……などと、家づくりのコストの目安となるのが坪単価です。一般的にいって最低限の「家の品質」を確保するなら ば、坪60万の概算はみておくべきでしょう。しかし、別荘地では崖地である事が多いので基礎工事代がさらにかかります。敷地が広い事が多いので外構工事費 もかかります。さらにお風呂にこだわったり、床暖房や暖炉,薪ストーブなどもこだわることが多いのではないでしょうか? 浄化槽を設置しないといけないこ とも多いですし、温泉の引き込み等等加算して行く必要があります。なので,坪単価だけで計算するのは危険です。格安の金額でのテレビコマーシャルを良く耳 にしますが眉唾……と思っていいのではと思います。
長持ちする別荘を建てたいのですが。
日本の家の寿命は、世界的にみると、とても短いといわれています。年数にして20年程度で建て替えが必要になるのが現状です。木が植林 されて建材になるまでには40年から50年かかることを考えると、20年相当で建て替えをするなら環境破壊でしかありません。私はそのような意識で設計を しています。一般に建設費と家の寿命は比例するのではないかと思いますが、別荘の場合、維持管理の仕方にも大きく影響するのではないでしょうか? より高 寿命の建築にするためには綿密な設計と維持管理計画が必要不可欠です。
別荘で必要な維持管理計画はどういうものですか?
建築(別荘)は使用しないと一気に耐久性が落ちてきます。空気が滞留し、流れがなくなってしまうことが良くありません。出来れば管理会社や地元の人に頼んで、週に1回以上は窓を開けてもらい、空気を入れ替える事をお薦めします。
施工・工事について
工事「管理」をしていただけるのですか?
誤解を招く表現ですが「管理」と「監理」は全く違います。設計者の行なう業務は「監理」で、設計通りに工事が行なわれているかを確認して行く業務の事をいいます。管理は工務店の現場監督の業務のことをいいます。
工務店はどうやって選べばいいのですか?
特に指名がないかぎり、設計事務所が施工技術、地域性、金額などを考慮しながらもっとも適切と判断される工務店を選定して紹介するよう にしています。探し方はインターネットや建築家仲間の紹介などです。避けたいのが「知り合い」「親の薦め」という形での工務店指名です。実は設計事務所の 仕様、デザインに対応できる工務店は以外と少数なのです。
工務店を入札で採用するのですか?
ケースバイケースで判断しています。大事な事は「安い会社がイコール良い会社ではない」ことです。腕の悪い職人、大工さんがくれば人件 費が安くなりますが、いい建築ができるとは思えません。建築主にとって損失です。技術的提案によってのコストダウンする可能性の方が大事ではないでしょう か?今までの専用住宅を含め半分くらいは工務店を1社に絞って話を進める事があります。金額で計算出来ない現場監督や大工さんを始めとる現場での会話と義 理人情の密度の方がいい建築をつくる。クレームの少ない、長寿命の建築をつくる上で大事ではないかと思います。
別荘が完成するまで、どのくらいの期間がかかりますか?
設計に半年、施工に半年の計1年を目安にお考えください。長いように感じられるかもしれませんがだいたいこの位はかかります。設計の半年の期間の中には「工務店の見積もり期間」も「見積もり金額を調整して工事契約を結ぶまでの期間」も入っています。
別荘の仕様について
杉を使った別荘をつくりたいのですが?
前に那須で、地元で育った杉(八溝杉)のみで設計した事がありました。「杉より桧」「桧でないと駄目」と思っている人もいますが、杉で も十分に地震に強い家ができます。材木は流通の問題が壁となります。近くの山の木よりも輸入した木材の方が安いなんていうことが多々あります。工務店に よっては付き合いのある材木屋のルートからの木でないと駄目というケースがありますが、その地の環境で育った木材を使用するのが一番適している方法である 事は間違いありません。
桧を使った別荘をつくりたいのですが?
桧はいい材料であることは確かだと思います。問題ありません。最近はフローリングに桧を採用する事がよくあります。杉にはない桧の香りはいいものです。
床暖房を採用したいのですが?
予算によりますが問題ありません。メーカー住宅などと違って利権もないので、どのメーカーのものも検討出来ます。それぞれの長所・短所を比較しながら進めて行くことでいかがでしょうか?
薪ストーブを採用したいのですが?
問題ありません。ただし高気密高断熱住宅での室内での火の使用はデリケートなものです。計画的な給気と排気計画が必要です。十分に納得しながらの計画をお薦めします。
オール電化にできますか?
問題ありません。日常的に使用しないなら光熱費の基本料金も抑えたいものです。オール電化はたくさんのメリットがあります。オール電化 住宅の特徴は、キッチンでの調理も電気であり、お風呂などのお湯も電気でつくるため、ガス代がかからないことです。そのため、たとえば太陽光発電システム を導入して自分の家で発電したり売電したりすれば、初期コストはかかりますが、光熱費を大幅に削減することも可能です。別荘だけでなく専用住宅でもメリッ トが高く、注目されています。
外断熱にしたいのですが、どうお考えですか?
最近外断熱はOK、内断熱はNGという間違った風潮がはびこっています。必ずしも断熱材を外に貼ればよいというものではありません。大 事なのは目的に見合った断熱材とは何か?という選択です。またどんなによい断熱材を採用しても施工方法が悪いと効果が出にくくなります。内断熱であっても 結露の出ない家はできますので、打ち合わせ時にくわしくお伝えします。大事な事は商業主義にのった情報を鵜呑みにしない事です。
高気密高断熱仕様にできますか?
問題ありません。今の工法で設計しますと標準仕様が高気密仕様になります。一度暖めた室内の熱を逃がさないのが高気密高断熱住宅の基本 です。なので、室内の空気がきれいであればあるほど良いのです。そういう意味で、上の質問とも関わるのですが、室内で火を使わないオール電化仕様は高気密 高断熱仕様と相性がいいです。では暖炉や薪ストーブはどうするのか? 夏のベストシーズンは自然の風を楽しむためには? これらのバランスが設計のポイン トです。