建築家と出会う

建築は「良きパートナー」との出会いからはじまる

建築家は、一生つき合っていく「パートナー」

別荘(建築)づくりは、良きパートナーとなる建築家との出会いから始まると僕は考えています。別荘とは、自分の理想を叶え、求めるステータスや満足を与えてくれる空間であり、非日常空間を提供してくれる場所。そんな魅力溢れる環境の中の別荘、末長く親しむべき美しい建築を、侘びも寂びもない規格住宅や商品としての住宅と同様に、デザイン・プランニングに限界のある工務店が主導で行っていいはずがありません。

敷地の特性や環境を活かすため、プランの可能性を探るためにも、高い提案力と技術力を持った「良きパートナーである建築家」と出会いましょう。

別荘とは、自分の理想を叶え、求めるステータスや満足を与えてくれる空間

建築家は「良識ある建築の専門家」であること

建築家は「良識ある建築の専門家」であるべきです。「良識」とは、専門分野への精通した知識であり、環境問題から雑学まで幅広い分野への興味であり、魅力的な空間や新しいスタイルをイマジネーションする能力であり、リーダーとなる人間的な魅力です。

特に「専門分野への精通した知識」で大切なことは「プランや生活への提案力」であり、「構造的に安全な建築の実現」「イメージした空間の実現」「温熱環境などに対応する技術」などに活かせることです。建築家は、ソフト面からハード面まで、依頼主の生活に対して総合的に提案する能力が必要です。

構造的に安全な建築の実現

建築物の完成度を決めるのは、建築家とのコミュニケーション

僕は、設計のプロジェクトが始まったら依頼主とのコミュニケーションを通して、まず数案を提示します。そして会話を繰り返しながらまた数案を作成する……。このような行為を繰り返す手法を採っています。模型も随時つくります。何十案になることもありますが、この方法によって最終的にイメージにあてはまるプランが完成するのです。

デザインコンセプトを明確にする方法を採ることもありますし、徐々に積み上げていく方法を採ることもあります。それは、人によって価値観が違うからです。そのプロセスにおいて、技術面や法的な制限、コストについて詰めていきます。大切なのは、より密度の濃いコミュニケーションがとれるかどうか、ということです。

建築は作品づくりと同じ

僕は、常により良い建築物をつくるためのイメージを追求します。大切なことは、依頼主の要望やイメージなどをしっかり聞き、その内容をくみ取りながら、どうやって魅力的な空間にしていくか、どうしたらより美しくなるか、もっと良くなるかを検討することです。簡単にまとめることもできますが、それは僕の創作ポリシーに反します。建築は「唯一のもの」であり、「作品」であるためです。

建築は山登りと同じ

建築家と協力して進める「家づくり」は、山登りに例えることができます。メーカー住宅は数回の打ち合わせ(一般的に3回)で設計が終了し、着工に入ります。それに対して、建築家との家づくりは設計に半年はかかり、模型もいくつもつくらなければなりません。予算などで暗礁に乗り上げるなど、作業を進める中で楽ではないことはたくさんあります。しかし、なぜ僕は設計の仕事を続けるのか。それは、完成した時の感動を味わいたいから、依頼主が喜ぶ顔が嬉しいからです。せっかくつくる別荘だからこそ、価値観を共有して最高の喜びを一緒に味わいたいと考えています。

建築家と協力して進める「家づくり」

建築家に想いを伝える

あなたが建築に対して抱いている想い・要望は、どんなことでも建築家に伝えましょう。それに対してどういった提案ができるのか――それが、建築家の能力を見極めるポイントでもあります。ただ依頼主の要望に応じたプランをつくる……そんな作業とは「何かが違う」エッセンスを加味することが、建築家の役割です。

こだわりを共有し、何を選択して何を捨てるかを話し合いながら、より良い別荘(建築物)に仕上げていく――これが僕の設計スタンスです。「対等な立場」で、一緒に「作品」をつくりあげましょう。

建築家とは一生のつき合い

建築家とは一生のつき合い

建築家は、それぞれが独自の考えやスタンスを持って仕事をしています。僕は、「建築家は身近にいる存在であるべき」と考えています。建築家との関係は、別荘(建築物)がある限り続いていくもの。お互いをパートナーとして考え「一緒につくる」という感覚を共有できてはじめて、良い別荘づくりに近づくのです。

パートナーとしてのスタンスはそのままに、建築のことは専門家である建築家にすべて任せましょう。建築家は「建築の専門家」としてとして、予算・法規・性能・デザインなどのバランスを加味しながら、責任を持って取り組みます。不安もあるかもしれませんが、パートナーとして相手を信じ、「あとはお願いします!」と委ねる姿勢も大切です。

米村和夫ミニコラム「建築家について」

建築家は「独立」している立場であり、組織に所属しているものではありません。施工会社ではなく建築主の味方であり、代理人としての役割も持っています。しかし、そのことは意外と知られていません。「建築家は施工会社の仲間」と思われている方も多いようです。

建物を築く前に、建築家と建築主の間に信頼関係を築かなければ、良いものはつくれません。「建築家との出会いが別荘(建築物)づくりのスタート」というのが、僕の持論です。だからこそ、プランや割引額などのみで建築家を比較することについては疑問に思っています。良きパートナーになれる建築家ならば、必ず良いプランをつくってくれます。そして、コストについても安全性についても施工会社選びについても、きちんとした道筋をつけてくれるはずです。

ホームページだけでは、おそらく建築家の人柄すべては伝わらないでしょう。だから、まずは一度お話をしましょう。あなたの望むデザイン、求める機能、そして心地良い空間のイメージを教えてください。